浄水用備長炭の正しい使い方と水道水との違い

飲み水は、毎日飲むからこそ、できるだけおいしく、そして安心して使いたいものです。
水道水はそのまま飲むことができますが、地域や季節によっては「カルキ臭が気になる」「なんとなく味が硬く感じる」と思うこともあります。

そんなときに昔ながらの方法として使われてきたのが、浄水用備長炭です。
ポットや水差しに水道水と備長炭を入れておくだけで、カルキ臭をやわらげ、まろやかな口当たりの水を楽しむことができます。

今回は、浄水用備長炭の正しい使い方、水道水との違い、使用期間やお手入れの目安について分かりやすくご紹介します。

水道水の「カルキ臭」はなぜ感じるのか

水道水には、衛生を保つために塩素が使われています。
この塩素は、水が家庭に届くまでの間に雑菌が増えないようにする大切な役割を持っています。

一方で、人によってはこの塩素由来のにおいを「カルキ臭」と感じることがあります。
特に、朝一番の水や気温の高い時期、地域によっては、コップに注いだときのにおいが気になることがあります。

つまり、水道水のカルキ臭は「水が悪い」というよりも、衛生管理のために必要な塩素が残っていることで感じるにおいです。

備長炭が水をまろやかにする仕組み

備長炭には、目には見えないほど小さな孔(穴)がたくさんあります。
この細かな孔が、水道水に含まれる塩素やカルキ臭の原因となる成分を吸着し、水のにおいをやわらげてくれます。

また、備長炭にはカルシウム、カリウム、鉄、マンガンなどのミネラル分が含まれており、それらが少しずつ水に溶け出すことで、口当たりがやわらかく感じられることがあります。

浄水器のように蛇口に取り付けるものではありませんが、自然素材を使って水を整える、昔ながらの暮らしの知恵といえます。

浄水用備長炭の正しい使い方

浄水用備長炭は、買ってすぐに水へ入れるのではなく、最初に下準備をしてから使います。

  • 備長炭を水洗いする
    まず、備長炭の表面についた細かな粉や汚れを、水でしっかり洗い流します。
    このとき、洗剤は使いません。
    たわしやブラシで軽くこする程度で十分です。
  • 煮沸消毒する
    水洗いした備長炭を鍋に入れ、弱火で5分ほど煮沸します。
    煮沸することで、表面の汚れを落とし、飲料水に使いやすい状態に整えることができます。
  • よく乾かしてから使う
    煮沸後は、清潔なザルや布の上に置いて、よく乾かします。
    水気が残ったまま密閉容器に入れると、衛生面で心配が出るため、風通しのよい場所でしっかり乾かしましょう。
  • 水道水に入れて一晩置く
    清潔なポットや水差しに水道水を入れ、備長炭を加えます。
    そのまま一晩ほど置くと、カルキ臭がやわらぎ、まろやかな水として使いやすくなります。
    冷蔵庫に入れておけば、飲み水としても使うことができます。

どのくらいの量を入れればよい?

目安としては、1リットルの水に対して備長炭1〜2本程度から始めると使いやすいです。
ただし、備長炭の大きさや水の量、においの感じ方によって適量は変わります。

最初は少なめに入れて、味や香りの変化を見ながら調整するとよいでしょう。
においが強く気になる場合は、備長炭の量を少し増やしたり、浸ける時間を長めにしたりすると変化を感じやすくなります。

備長炭を入れた水は早めに使い切る

備長炭を入れた水は、できるだけ早めに使い切ることが大切です。

水道水に含まれる塩素は、衛生を保つための役割を持っています。
塩素が除かれた水は、消毒効果が弱くなるため、長時間の常温保存には向きません。

厚生労働省も、浄水器で塩素が取り除かれると消毒効果がなくなり、細菌が繁殖することがあると注意喚起しています。
参照:厚生労働省 ”水道の給水せんに取付ける家庭用浄水器の使用について”

備長炭で水をつくったら、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存し、できればその日のうちから翌日までに使い切るようにしましょう。
特に夏場や室温が高い時期は、常温で長く置かないよう注意が必要です。

毎日使うなら週1回の煮沸がおすすめ

浄水用備長炭は、繰り返し使えるのが魅力です。
ただし、毎日水に入れて使う場合は、定期的なお手入れが必要です。

目安としては、1週間に1回程度、煮沸消毒するのがおすすめです。

煮沸したあとは、よく乾かしてから再び使います。
濡れたまま放置したり、長期間洗わずに使い続けたりすると、衛生面で不安が出てきます。

「水の味が戻ってきた」「カルキ臭が気になるようになった」「表面にぬめりを感じる」といった場合は、早めに煮沸しましょう。

使用期間の目安は2〜3ヶ月

浄水用備長炭は、永久に同じ効果が続くわけではありません。
使う水の量や頻度によって異なりますが、一般的には2〜3ヶ月程度を目安に交換を考えるとよいでしょう。

交換の目安は、次のような状態です。

  • 煮沸してもカルキ臭が気になる
  • 水のまろやかさを感じにくくなった
  • 炭の表面が崩れやすくなってきた
  • 細かな炭の粉が多く出るようになった
  • 2〜3ヶ月以上使っている

効果が落ちてきたと感じたら、無理に使い続けず、新しい備長炭に交換しましょう。

浄水だけでなく、炊飯にも使える

浄水用備長炭は、飲み水だけでなく、炊飯にも使えます。
お米を炊くときに、よく洗って煮沸した備長炭を一緒に入れると、水のにおいがやわらぎ、ご飯がふっくら炊き上がりやすくなります。

備長炭に含まれるミネラル分が水に溶け出すことで、ご飯の味わいに変化を感じる方もいます。
当店の商品ページでも、飲料水や炊飯、漬物、天ぷらなどへの活用が紹介されています。

炊飯時の使い方は非常に簡単です。

【炊飯用備長炭の使い方】

  • お米を研いで水加減を調節したあと、清潔な備長炭を1本入れて、通常通り炊飯します
  • 炊き上がったら、備長炭を取り出してよく洗い、乾かして保管します

浄水用備長炭を使うときの注意点

浄水用備長炭は便利ですが、使い方にはいくつか注意点があります。

まず、必ず飲料水・浄水用として販売されている備長炭を使うことが大切です。
燃料用の炭や、用途が分からない炭は、飲み水に使う前提で処理されていない場合があります。
飲料水や炊飯に使う場合は、浄水用として案内されているものを選びましょう。

また、備長炭は万能な浄水器ではありません。
カルキ臭をやわらげたり、塩素を吸着したりする働きは期待できますが、水に含まれるすべての物質を取り除くものではありません。

井戸水や安全性が確認できない水を、備長炭だけで飲める水にすることはできません。
あくまで、水道水をよりおいしく飲むための自然な工夫として取り入れるのがおすすめです。

使い終わった備長炭は再利用できる

浄水用として使い終わった備長炭は、すぐに捨てずに再利用することもできます。

よく乾かしてから靴箱や冷蔵庫に入れれば、消臭用として使うことが可能です。
また、細かく砕いて鉢植えや庭の土に混ぜれば、土の通気性を高める素材としても活用できます。

飲み水に使う期間が終わっても、暮らしの中で最後まで無駄なく使えるのが、備長炭の魅力です。


浄水用備長炭は、水道水のカルキ臭が気になるときに、手軽に取り入れられる自然素材です。
使う前には水洗いと煮沸消毒を行い、毎日使う場合は週に1回程度のお手入れを続けましょう。

飲み水に、炊飯に、そして使い終わったあとの消臭や土壌改良に。
浄水用備長炭は、昔ながらの知恵を今の暮らしに取り入れられる、やさしい水づくりの道具です。

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